配線の歩掛について
電気CAD・見積【開発者コラムvol.6】
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配線の歩掛について

1.「歩掛」について

まず、歩掛とは何でしょうか?

 

歩掛とは「作業を行う場合の単位数量」であり、見積書内において積み上げた歩掛を

合算したものが工数となります。

 

工数は、「ある一定の工事に要する作業手間ならびに作業日数を数値化したもの」になります。

 

例えば「VVF1.6mm-2C」の「歩掛1-1」の数値は「0.013」ですが、

これは、「VVF1.6mm-2Cの 1m当たりの作業数量」になります。ですので、

ある現場で「VVF1.6mm-2C」を300m使用するとした場合、その工数は

0.013×300=3.9となり、「だいたい4日くらいの作業日数が見込まれる」

という風に考えるわけです。

 

ちなみに正式な呼び方は「ぶがかり」と呼びます。

2.「歩掛1-1・歩掛1-2・歩掛1-3・歩掛1-4」について

「VVF1.6mm-2C」の「歩掛1-1」は「0.013」であると申し上げましたが、

「歩掛1-2」は「0.016」、「歩掛1-3」は「0.011」、「歩掛1-4」は「0.026」

と登録されています。

 

この数値の違いについてご説明します。

 

まず、電線や配管を施工する際、施工方法によって手間が変わってきます。

入り組んだ場所ですと細々した作業が必要になりますが、開けた場所に

まっすぐに引っ張て行くだけならそれほど手間はかかりません。

 

そして、その施工別歩掛の増減がルールとして定められています。

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1.電線管内配線(基準値) :×1.0

「管内配管」が配線工事の歩掛の基準となります。写真は鋼管ですが、

合成樹脂製のVE管等のまっすぐな配管への施工が対象となります。

PF管CD管

2.PF管・CD管・FEP管内配線 :×0.9

PF・CD・FEP管は合成樹脂製の可とう電線管(くねくねと曲がる管)になります。

自由に曲がる分施工が楽なので基準より少なめの「0.9」です。

ケーブルラック配線

3.ケーブルラック配線     :×1.2

文字通りケーブルラックを使用した配線になります。高所での作業や

目に見える部分も多いため、手間が多く「1.2」となっています。

ピット・トラフ

4.ピット・トラフ内配線    :×0.8

写真は「トラフ」の写真ですが、トラフ・ピットはコンクリートでできた溝への

配線工事になります。隠ぺいされてしまうので手間も少なく「0.8」となっています。

ころがし配線

5.ころがし配線        :×0.8

木造住宅の天井裏においては、ころがし配線(特に配管や支持材を使用しない配線)を

されることがあります。天井裏で隠ぺいされてしまうので手間も少なく「0.8」となっています。

コンクリート部分サドル止め

6.コンクリート部分サドル止め :×2.0

コンクリート部分に支持材を取り付けるだけで手間がかかりますので、

基準値の2倍の「2.0」となっています。

木造部分サドル止め

7.木造部分サドル止め     :×1.5

コンクリート程の手間はかからないですが、きれいに仕上げていく手間が

かかりますので「1.5」となっています。

そしてその増減率を、歩掛1-1「1.0」を基準として、

歩掛1-2は「1.2」、歩掛1-3は「0.8」、歩掛1-4は「2.0」倍

した数値が登録されています。

 

※この増減率が商品に反映されたのは、2019年7月からになります。

 

また、新機能として「歩掛調整」が実装されたことにより、簡単にユーザー単位での

歩掛の調整が可能となりました。「歩掛1-1」を「基準値1.0」とすることで

調整作業がやりやすいであろうと判断いたしました。

3.「歩掛2」について

歩掛2の数値は、主に「建柱」や「キュービクル設置」のような電気工事とは

関係のない土工的な普通作業が含まれる工事(電工とは別の工事費)として設定

されている数値になります。

 

積算の機能としては、「作業費」コマンドで設定することができます。

ここまで

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